一度だけ同じ仕事現在でご一緒しただけですが、謹んでご冥福をお祈りいたします。
ご一緒したのは私がコミックボンボン誌で「Ohマイコンブ」のアシ時代。
コンブ作者の「かみやたかひろ」先生が、
『友人の漫画家が少年ジャンプの10週チャレンジに挑む。アンケートに協力してあげてくれ』と、
当時、アシをしながら少年ジャンプにも投稿〜手塚賞で奨励賞5マン円を取ってた私や、アシの先輩方々も応援。
かみや先生は、その友人作家を【イッキマン先生】と読んでました。
少年ジャンプにくる以前、少年チャンピオンでアニメのタイアップ連載をしており、その漫画が
【剛Q超児イッキマン】だったからです。
しかも、残念ながら、イッキマン先生の新連載は10週で打ち切り。
すると、次の週のコンブ現場、当時1番若手アシの私より先に現場入りして
コンブの【ペン入れ済み原稿】の下書き鉛筆線を
消しゴムかけしてる、見慣れ無い人物が! (どう見ても 歳上の男性)
「どうも……」と、軽く会釈。
先輩アシも揃った所で、かみや先生から
『今日1日だけ臨時でアシに入ってもらった……………………イッキマン先生です』
アシ一堂『え⁉︎』
先週迄、週刊少年ジャンプで連載をしていたご本人‼︎
『どういう事ですか?』
『実は…………』
週刊少年ジャンプの連載はスケジュールがタイトで、高額日給のプロアシスタントを複数人、複数日雇わないと間に合わない
とても原稿料だけでは賄えず、借金に………
大概の連載作家は単行本の印税で赤字を黒字に変えるらしいが、単行本の発売は数ヶ月後(当時のジャンプは特に単行本発売が遅い)
さらに印税の支払いは単行本発売から数ヶ月後……
一応、毎月ジャンプ専属契約料も貰えるが……少しでも早く借金を減らしたいので
昔からの知り合い作家に電話かけまくり、1日でもいいからアシに雇ってくれないか
と、………で、ちゃぶ台机で 私の隣で オーマイコンブの下書きに消しゴムかけ
(下書きの消しゴム掛けは、1番格下アシの仕事)←(その漫画家先生の仕事現場ルールです、必ずドコでもそうとは言えない)
まあとにかく、イッキマン先生とご一緒したのは その日1日だけ
『ジャンプ10週チャレンジに敗北すると、借金まみれで幼年誌の消しゴム掛けかよ!
11週前は日本1の週刊少年誌で表紙と巻頭カラーだった人が……ジャンプ怖え〜』
と、先輩アシ一堂震えた思い出。
ソレから20年………「そう言えばイッキマン先生ってどうしてるんだろう?」
その後ジャンプを買わなくなった上、【イッキマン先生】としか記憶して無かったため名前も忘れてた。
ある時、Twitterで、イッキマンのOPアニメがrtされ、その解説を見て驚愕!
『え⁉︎ イッキマン先生って……遊戯王の高橋和希先生⁉︎』
あの後も……チャレンジ続けて 世界的超ビックネームになられてた!
(遊戯王のアニメや漫画見ても全く気付かなかったワシ)
まあ、私と高橋和希先生の接点はコレだけ
ソレでも
お亡くなりになった事は悔やまれる。
心よりご冥福をお祈りいたします。
2022:7/7 上藤政樹